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2011.04.06

高嶋哲夫◎TSUNAMI津波

20110406

*

「燃料被覆管外面温度1396度、1397度……8度、1400度を超えました。燃料被覆管の溶解が始まります」

中央制御室が静まり返り、全員が運転員の読み上げる数値を聞いている。

「制御棒はどうなってる」

「変わりません。10分の1が入って後は停止したままです」〔…〕

「燃料被覆管外面温度モニターが切れました。すでに燃料被覆管は溶解を始めているものと思われます。

このままだと──メルトダウンです。いやすでに──」

炉心溶融、三戸崎は口の中で繰り返した。原発関係者が最も恐れていること、そして絶対にありえないと信じていたことだ。

原子炉の中で高熱を出しながらウラン燃料の核反応が進み、原子炉圧力容器を溶かす。そして、落下した高温のウラン燃料が原子炉格納容器の底の圧力抑制プールの水に触れて水蒸気爆発を起こす。

爆発が激しければ、原子炉格納容器を破壊し、さらに原子炉建屋まで破壊する。そうなれば、膨大な放射性物質が大気にばら撒かれる。

同時に原子炉格納容器の底に落ちたウラン燃料は、底を溶かしていく。

TSYNMI 津波│高嶋哲夫 │集英社 │ISBN9784087753547 200512月/文庫版: 200811月│評価=○

<キャッチコピー>

東海大地震。それは必ず起きる。だから、今から何をしなければならないのか。独自のハザードマップを作り、地震対策に努める市役所防災課職員がいた。だが、大地震が連続して発生。空前の大津波が太平洋岸を襲う!そのとき恋人は、超高層ビルの建築主は、原子力発電所の職員は、自衛隊員は、首相は、どう運命と向き合ったのか!?大迫力の防災サスペンス作品。

<memo>

2011.3.11大震災。菅首相、枝野官房長官の“犯罪行為”で、もっとも被害を受けたのは東京電力福島第1原発から20~30キロ圏内の住民ではないか。菅首相は315日になって「屋内退避」するよう求めた。321日の枝野会見では、「屋内待機地域については空気中の放射性物質についての測定値に基づいて、これが健康に万が一にも影響を及ぼすことがないような万全の措置として取らしていただいております」。どんな対策? そして325日、枝野長官は地元市町村に住民の「自主避難」を促進せよと指示した。いまも政府の避難指示を出していない。当該地域の住民は避難するにも受け入れ先が見つからず、食料の供給はされず、看護師も放射能を恐れて入ってこない。これはまさしく菅・枝野による“棄民”である。

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