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2011.05.27

有川浩◎阪急電車

20110527

**「ちょっと声をかけたくなったの。さっきのあなたはとてもカッコよかったわ」

「ちょっと声をかけたくなったの。さっきのあなたはとてもカッコよかったわ」

××さんは目を瞠り、そして耐えかねたように涙をこぼした。〔…〕

××さんを仲間外れにしようとした少女たちがこちらを気にしているのは肩越しに窺う気配で分かった。

あなたみたいな女の子は、きっとこれからいっぱい損をするわ。

だけど、見ている人も絶対いるから。あなたのことをカッコいいと思う人もいっぱいいるから。私みたいに」

だから頑張ってね。

翔子がそう言うと、××さんはハンカチから顔を上げた。

「お姉さん、幸せ?」

──痛いところを衝かれた。

◎阪急電車│有川浩│幻冬舎│ISBN9784344014503200801月/文庫版:ISBN9784344415133201008月│評価=△

<キャッチコピー>

車は、人数分の人生を乗せて、どこまでもは続かない線路を走っていく─片道わずか15分。そのとき、物語が動き出す。

<memo>

阪急電車今津線は、西宮北口駅で神戸線によって分断され、北線と南線がそれぞれ西宮北口駅で折り返し運転をしている。本書はその北線を舞台にしたオムニバス形式の“ちょっと人生の機微を味わってきました”小説。以前同じ著者の『三匹のおっさん』を途中で投げ出したが、おとなが読める作家になるには、あと数歩。せめて阪急電車並みの品位ある文体を。

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