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2011.05.12

西村賢太◎一私小説書きの弁

20110512_2

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大正期の私小説家である藤澤清造の全集作りを企図したのは平成九年の春先だったから、今年は末だその実現をみぬままで、これで丸十年もの歳月を虚しく経ててしまった塩梅だ。〔…〕

但、これはよそでも書いたことだが、この刊行の遅延に関しての他人の思惑なぞは、実際どうでもいいのである。

藤澤清造を読みたければ、何も当方の刊行を待つまでもなく、

各々が古書展や古書目録を小マメにチェックして身銭を切るなり、往時の文芸誌を所蔵する公共機関でコピーを取るなりすればいいだけのことである。そして、勝手に読めばいいだけのことである。

 ──なぞと云ってはまるで身もフタもなく、殆ど刊行遅延の弁明に窮した果ての世迷言みたいにとられかねないが、しかしこれはこれで、はなのはなからの私の思いであることにも変わりはない。

──「十年一日」

◎一私小説書きの弁│西村賢太│講談社│ISBN9784062159340201001月│評価=△

<キャッチコピー>

私小説一筋の原点がここに。初の随筆集。西村賢太が師と仰ぎ全集刊行に全力を傾ける作家・藤澤清造への思い。

<memo>

藤澤清造へのオマージュを全ページ繰り返しくりかえし。

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