森正人◎昭和旅行誌──雑誌『旅』を読む
* 50年代末から旅行が大衆化し、さらにディスカバー・ジャパンの影響もあり、古い町並みにグループの観光客がどっと押し寄せる。 そこで本当に郷愁を感じられるのだろうか。〔…〕 1960年代の『旅』で、年配者は若者たちに旅愁を感じるような旅行をするように強く求めていた。 そこで言われる旅愁は、旅行者たちの心構えのなかで主体的に見出すべきものだった。 しかし、60年代末からの旅愁は、小京都15とか城下町100といったように、どこで郷愁を感じることができるかが、あらかじめカタログ化されていて、もちろんそこで旅愁や郷愁を感得するための心構えは必要だろうが、そこを訪れる人たちは、行く前からそこで旅愁や郷愁が喚起されることをある程度知っている。 |
◎昭和旅行誌──雑誌『旅』を読む│森正人│中央公論新社│ISBN:9784120041822│2010年12月│評価=△
<キャッチコピー>
雑誌『旅』の1924年から2004年までの変化を克明にたどりながら、日本人の旅行の変遷を見る。なつかしい図版を多数収録。
<memo>
いい素材なのに、悪文で興をそがれる。
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