宮崎学◎続・突破者
* つまり、現代社会の最高社会権力はメディアが握ったのだ。 最高権力だから、つまらない誤報をしたといっては謝ることはあっても、大衆をミスリードしたといって自己批判したりすることはけっしてない。 中坊公平を「次期首相にふさわしい」と持ち上げたり、鈴木宗男を「疑惑の総合商社」と貶めたりして、それがまちがいだったことがわかっても、なんの反省もしないし、自戒することもない。 われわれは、視聴者のみなさんの望むようにしただけであって、われわれの意見を押しっけたわけではありません、というわけだ。〔…〕 メディアクラシーがデモクラシーだと思い込んでいる。だから、ますます胡散臭い「正義」を再生産していくことになる。このような状況を俺は「空気のファシズム」と呼んだことがある。 |
◎続・突破者│宮崎学│同時代社│ISBN:9784886836861│2010年11月│評価=△
<キャッチコピー>
衝撃のデビューから15年。ベストセラー自伝の書き下ろし続編!「正義」をかざすインチキ漢、脱獄計画で著者を助けた闇の将軍、清く正しい市民の群れ、刑務所で出会った男と女…。奈落の闇を、著者は野蛮の声をあげて泳いできた。孤立を怖れず、進むほかないだろう。
<memo>
そうか、グリコ森永事件の“キツネ目の男”に擬して『噂の真相』に登場し、翌年『突破者』で作家デビューして、もう15年か。正編に比して迫力が無いわけだ。
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