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2011.06.06

植村鞆音◎気骨の人 城山三郎

20110606

*

晩年の城山の手帳には、数多くёの文字が登場する。ロシア語でイヨーと発音するが、容子のヨウ、妻を意味する城山の暗号である。

容子の死んだ以降の日録にはёが頻繁に現れる。〔…〕

「花火。ёの写真を脇に置き、ベランダから遠望 この夏は写真と共に花火見る」

「行李一杯の靴、靴下、続いて下着、ёが僕のために買い置いてくれたのを、紀子見つける。『まるで自分が先に死ぬことを知っているみたいに』と」

「相変らず日に何度も『ママ!……』と話しかけている。『ё、元気かい』などと」〔…〕

城山は、毎年年の終りの手帳にその年の自身の三大ニュースを書きこんでいるが、

容子の死んだ平成十二年の三大ニュースは、「容子の昇天、1位も2位も3位も」である。

◎気骨の人 城山三郎│植村鞆音│扶桑社│ISBN9784594063962201103月│評価=△

<キャッチコピー>

数々のベストセラーを生み出した大作家・城山三郎。その作品は勿論、「卑しさ」を嫌い、「筋」を通し続けた生き様が読者の強い共感を呼び、いまだに根強い人気を誇っている。そんな城山の人となりを描く評伝。

<memo>

平成193月に死去した城山三郎には、ダンボール300個分の書簡、メモ・ノート、手帳、切り抜き、生原稿、書類等があり、これを元に今後もさまざまなかたちで書かれていくだろう。

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西尾典祐◎城山三郎伝──昭和を生きた気骨の作家

森史朗●作家と戦争――城山三郎と吉村昭

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