西尾典祐◎城山三郎伝──昭和を生きた気骨の作家
* 8月18日、60歳になり、万年書生は還暦をむかえた。城山はこれを機に人生訓のようなものを作ってみた。 (1)年齢に逆らわず、無理をしない。 (2)いやなことはせず、楽しいことをする。 (3)眠いときに寝、醒めたら起きる(昼夜を問わず)。好きな物だけ食べる。但し午後8時まで。 (4)義理、面子、思惑をすてる。つまり、省事で通す。 (5)友人をつくり、敵をふやさない。 ただし、(1)を大原則として、他は守れれば守る程度とした。 |
◎城山三郎伝──昭和を生きた気骨の作家│西尾典祐│ミネルヴァ書房│ISBN:9784623059232│2011年03月│◎おすすめ
<キャッチコピー>
昭和のはじまりと同時に生まれ、生涯を通じて「昭和」という時代を書ききろうとした城山三郎は、人を単なる肖像画ではなくその背景を含めて描き出した。彼の遺したダンボール三百箱にのぼる一次資料にふれた著者が、権力に屈せず、己を曲げず、人間を、社会を、そして組織を見つめて生きぬいた作家の一生を描く。
<memo>
本書は伝記であるが、作品とはなり得ていない。いわば、補遺、脚注のたぐいを集めたもの。映画化された作品の配役、表彰状の文面、訴状の文面、学校の成績表、作家以前の詩作品など……。伝記としての評価はともかく、これがむやみにおもしろい。
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