村田喜代子◎縦横無尽の文章レッスン
* 文章の中に、何事も書かれていない空自と同様の箇所はないだろうか。 最初のうちはどこも一所懸命に書いているように見えるが、文意をたどっていくとただ重複しているだけで、あるいは書くほどのものでもないことに字数を費やしていたり、そんな無意味な所に気がついてくる。 そういう箇所はただ白く見える。 文章は書かれているけれど、内容は無いに等しいからだ。 そんな所を思い切って削除する。 ときに、書き足す効果より文章を削り取ってしまう効果のほうが大きい場合がある。 贅肉を取ると人の身体がどのようにシャープになるか、言うまでもないことだ。 しかし人は贅肉を減らすことには憧れても、自分の平板な文章を減らすことには抵抗する。 |
◎縦横無尽の文章レッスン│村田喜代子│朝日新聞出版│ISBN:9784022508423│2011年03│評価=◎おすすめ
<キャッチコピー>
小学校2、3年の名作文、魂ふるえる童話『ねずみ女房』、世界の学者たちがインターネットで闘わす、愉快で過激な文明論等…、縦横無尽にテキストを駆使する! 文章はどのように書くか。大学で開く実践的な文章講座。学生たちの名文、迷文、実作例付き。
<memo>
ジョン・ブロックマン編「2000年間で最大の発明は何か」、大関松三郎詩集「山芋」、鷲田清一「悲鳴をあげる身体」、ルナール「博物誌」など、テキストの多彩さが他の文章読本と異なる。
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