« ねじめ正一◎母と息子の老いじたく | トップページ | 中島岳志◎秋葉原事件──加藤智大の軌跡 »

2011.07.22

森功◎泥のカネ──裏金王・水谷功と権力者の饗宴

20110723

*

そもそも福島原発では、90年代後半から多くの不祥事が起きていました。〔…〕

極めつきが029月、原子炉における格納容器気密試験のデータ偽装の発覚だ。一連のトラブルのおかげで、福島県内の原子炉はいっとき全10基の運転停止を余儀なくされてしまう。

そして

このデータ改竄事件を境に、それまで原発容認派と見られていた福島県知事の佐藤栄佐久は、再操業反対の姿勢に転じた。

佐藤はプルサーマル計画の白紙撤回を求め、福島県内にある第1、第2原発ともに操業再開の目途が立たなくなる。〔…〕

当時の原発トラブルは、東電にとって、会長の荒木をはじめ、社長や相談役にいたるまでが総退陣するほどの不祥事だった。〔…〕

文字どおり弱り果てていた東電は、原発の再稼働に躍起になる。水谷建設の不明朗な資金操作が発覚したのは、まさにそんな折の出来事だったのである。

◎泥のカネ──裏金王・水谷功と権力者の饗宴│森功│文藝春秋│ISBN9784163736501201104月│評価=○

<キャッチコピー>

東電・福島原発の大罪、黒い裏事情がここに! 福島原発から小沢一郎の胆沢ダムまで、汚い金の臭いがする所には、必ず“裏金王・水谷功”の影がある--。政界の裏街道でその名を知られた「闇の政商」の告白から、政官業「癒着」の核心をあぶり出した傑作ノンフィクション。

<memo>

のちに佐藤知事は収賄容疑で逮捕されるが、原発反対派となったため国策捜査で逮捕されたと主張する(「知事抹殺── つくられた福島県汚職事件」)。

■裏金づくりの手口……。1億円のブルドーザーを2年以上使うと中古になる。水谷建設は重機ブローカーへ8千万円で売る。ブローカーは1千万円の仲介マージンを乗せ、オークションに9千万円で出す。本来、ブローカーは8千万円を振り込まなければならないが、水谷側は減価償却され、帳簿価格上の4千万円となっている。そこで4千万円だけを振り込み、残り4千万円を手元に置いてプールしておく。必要に応じ、水谷からの指示でそのプール金から裏金を引き出す。

森功■ ヤメ検――司法エリートが利欲に転ぶとき

|

« ねじめ正一◎母と息子の老いじたく | トップページ | 中島岳志◎秋葉原事件──加藤智大の軌跡 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 森功◎泥のカネ──裏金王・水谷功と権力者の饗宴:

« ねじめ正一◎母と息子の老いじたく | トップページ | 中島岳志◎秋葉原事件──加藤智大の軌跡 »