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2011.07.19

都築響一◎夜露死苦現代詩

20110720

*

看護記録には毎朝「意味不明の独語あり」と記されるだけの、美しい演歌のようなストーリーを紡ぎつづける彼女に対して、旦那のほうは末期癌でモルヒネの幻覚に漂いながら

あんた、ちょっと来てごらん。

あんな娘のアゲハ蝶が飛びながら

ドンドン燃えてるじゃないか…

と呟き、その二日後に世を去ったという。

意外な言葉の組み合わせから生まれる、意外なイメージの喚起こそが詩の真骨頂なのだとすれば、詩人の人生もまた、そして詩が生まれる場所もまた、意外なところにしかありえないのだろうか。

──第1章 痴呆系 あるいは胡桃の城の山頭火

◎夜露死苦現代詩│都築響一│新潮社│ISBN9784103014317200608月/文庫版:筑摩書房│201004月│評価=◎おすすめ

<キャッチコピー>

ストリートという生きた時間が流れる場所で、詩人とは一生呼ばれない人たちが、現代詩だなんてまわりも本人も思ってもいないまま、言葉の直球勝負を挑んでくる…寝たきり老人の独語、死刑囚の俳句、エロサイトのコピー、暴走族の特攻服まで。

<memo>

「都築くんの書くものの強みは、常に自分の足で歩きまわって面白いものをみつけ、第一次資料として自分の中に丹念に蒐集し、それをもとに地べたからダイレクトに論を起こしていくところにある。」(村上春樹「蒐集する目と、説得する言葉」)

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