竹内政明◎名文どろぼう
* 田中角栄が憲政史上の最年少、44歳で大蔵大臣に就任したのは1962年(昭和37年)のことである。 東大法学部卒が大半を占める「官僚のなかの官僚」たちを前にして、就任の演説をおこなった。その冒頭と末尾を。 私が田中角栄だ。小学校高等科卒である。(中略) できることはやる。できないことはやらない。しかしすべての責任は、この田中角栄が負う。以上。 政治家の演説集を編む折があれば、ぜひとも収めたい逸品である。 |
◎名文どろぼう│竹内政明│文藝春秋│ISBN:9784166607457│2010年03月20日│新書│評価=△
<キャッチコピー>
人の心を打つ名文を書くには、名文を盗むことから始めよう。当代随一の名文家が、秘密のネタ帳から古今東西の「名文」を絶妙に引用して綴る人生の四季。名文の芳香に浸る至福のひととき。
<memo>
名文集と期待したら、なんだ小咄、小ネタを集めたもの。ところで「この手紙がいつもより長くなってしまったのは、もっと短く書き直す余裕がなかったからにほかなりません」の出典が本書で見つかった。パスカル「プロヴァンシアル」第十六の手紙だそうだ。某ブロガーに贈りたい。なお上掲は菅首相に贈るもの。
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