« 姜尚中◎トーキョー・ストレンジャー──都市では誰もが異邦人 | トップページ | 坪内祐三◎書中日記 »

2011.08.22

辺見庸◎水の透視画法

20110822

*

老いると総じてふきげんになるわけがこのごろわかってきた。

風景を若いときのようにまっさらなものに感じなくなるからだ。おどろきと発見が減ればへるほど老いは深まる。

現前することどもを既知の景色、あらかた経験ずみのこと、あるいはそのバリエーションとしかおもえなくなるとき、

ひとは肉体の実質を問わず、廃船のように芯から老いて、心が錆びつき、ふきげんになる。

──「悲しみの美」

◎水の透視画法│辺見庸│共同通信社│ISBN9784764106321201106月│評価=○

<キャッチコピー>

日常に兆すかすかな気配を感じて、作家は歩き、かんがえつづける。突然の大地震と大津波、眼にしたことがないそら恐ろしい光景。それは結末ではなく、新たなはじまりなのか。ことばから見はなされた現代世界を根源から省察する珠玉の作品群。

<memo>

辺見庸の書くものは、文明批評から散文詩へ移動しつつある。と思ったら、ほんとうに詩文集が出ているらしい。

辺見庸◆しのびよる破局――生体の悲鳴が聞こえるか

辺見庸★もの食う人びと

|

« 姜尚中◎トーキョー・ストレンジャー──都市では誰もが異邦人 | トップページ | 坪内祐三◎書中日記 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 辺見庸◎水の透視画法:

« 姜尚中◎トーキョー・ストレンジャー──都市では誰もが異邦人 | トップページ | 坪内祐三◎書中日記 »