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2011.08.18

クラフト・エヴィング商会◎おかしな本棚

20110818

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旅もしてみたい。どこへ行くか。もちろん神戸である。

神戸について書かれた本だけで棚がいくつもできる。タイトルに「神戸」の二文字があるだけで読みたい。あれがよかったこの本がよかったと知ったかぶって挙げつらねたいところだが、

きわめつきの一冊は、『佐々木マキ作品集』で、この本に収録された『神戸の町のことなど』という文章は、電車を乗り継いで行ったちょっと遠い町にある三本立て映画館の匂いがする。

ぼくも相方も、神戸をカタカナの「オシャレ」な街と思ったことがない。異人館にも夜景にもさして興味はない。

さんざん歩いたのは高架下だったり地下街だったりアーケード街だったりで、阪急三宮駅の夕方の雑踏であるとか、元町の雑居ビルの二階に昔からある店とか、そういった風景しか思い浮かばない。

それは自分が生まれる前からそのようにしてあり、初めて訪れたときから既視感があった。それでいて、いつ行っても迷子になってしまう。

神戸は本を買いたくなる街だ。うちの本棚には至るところに神戸で買った本がある。

──「旅する本棚」

◎おかしな本棚│クラフト・エヴィング商会│朝日新聞出版│ISBN9784023308985201104月│評価=◎おすすめ

<キャッチコピー>

多くの本好きやデザイナーが注目するクラフト・エヴィング商會。不可思議な本をつくり続ける同商會の書庫を初公開!書棚の写真を眺めているだけでも楽しく、本文を読むと実物を手に取りたくなる、そんな古今東西の奇書・稀書・偽書がたっぷり。創作の秘密が垣間見られる異色のブックガイド。

<memo>

「金曜日の夜の本棚」「美しく年老いた本棚」「いつまでも読んでいたい本棚」「頭を真っ白にするための本棚」など、テーマごとに本の背表紙を並べた写真、そしてその本棚の本のタイトルと著者名が並ぶ。たとえば上掲の「旅する本棚」では、いまはもうない高架下の古本屋で買った金井美恵子・渡辺兼人『既視の街』、三宮地下の新刊書店で買った堀切直人『迷子論』。そして林喜芳『兵庫神戸のなんどいや』『わいらの新開地』は、写真では海文堂書店のブックカバーがついたままで書名が読めない。

──「新刊書店の、古本屋の、図書館の、友人の、そして自分の本棚で、それがどのように並んでいるかによって、同じ本がまったく別の本に見えてくる」(吉田篤弘)。確かに……。

吉田篤弘・文/フジモトマサル・絵■ という、はなし

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