伊集院静◎作家の遊び方
* すぐかたわらに男が3人私と同じように煙草を呑んでいる。このあたりって路上喫煙禁止で喫煙場所に骨集まってくる。 少し前まで世の風潮である禁煙に逆らって煙草を呑み続ける人には性根のある人が多かったが、 今はもう人生の落伍者みたいなのが大半をしめるようになった。 見ていていかにも仕事はできない、遊びも半端、将来も見込めそうもない連中が多くなった。 ──まあ基本的にはこういう感じの人が好きなんだけどさ。 ──「いい日曜日だな」 |
◎作家の遊び方│伊集院静│双葉社│ISBN:9784575303216│2011年05月│評価=△
<キャッチコピー>
酒、ギャンブル、ゴルフ、そして旅先での出会い、松井秀喜との交友まで。粋な小説家が綴る「男の日常」。
<memo>
「週刊大衆」連載コラム。だらだらとペンにまかせて競輪やカジノの日々を綴る。「煙草が美味い」から、以下……。
「煙草を呑む年配者は、煙草の中の有害なものとか、心臓病患者にはもっての他とか、皆承知しているのである。
──承知の上で呑んでいるのだ。
これが私には、イイ感ジに見えるし、それが大人の男と思うのだ。
若者よ。年配者にむかって、煙草を吸いなさんな、と気安く言うんじゃないし、煙たそうな顔をするんじゃない。大人の男に生まれて、酒と煙草と博打と女の、それらすべての良さを知らずに生きてどうするのだ。
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