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2011.09.07

中村メイコ◎人生の終いじたく

20110907

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まだ10代の少女だった頃、私は恋をしました。相手は作家の吉行淳之介さん。当時はまだ小さな雑誌社の編集者をしていらっしゃいました。〔…〕

「初恋の人は吉行さん、って私がいいだした頃は、まだ芥川賞もとっていらっしゃらなくて、今みたいに有名ではなかった。世の中のほとんどの人たちが作品はおろか、名前すらきいたことがなかったのに、今はもうすっかり有名になられた。

そうなった今、じつは私の初恋の相手は吉行淳之介なんですよ、っていうのは、うちの夫は東大出なんですの、というのとどこか似てません?」〔…〕

初恋の人が著名な作家、吉行淳之介ではなくて、無名時代の吉行さんだったということに、私はプライドみたいなものを感じています。

──「かけがえない初恋の君、吉行淳之介さん」

◎人生の終いじたく──だって気になるじゃない、死んだ後のこと。│中村メイコ│青春出版社│ISBN9784413037761201011月│評価=○

<キャッチコピー>

とっても大事な「人」「出来事」「物」…人生の終わりが見えてきても、なかなか片付けられないものたち。家族に残しておきたい言葉は? 親しいあの人とはどう別れるの?…中村メイコの爆笑遺言エッセイ。

<memo>

「きみが正常さんの娘でなかったら、ぼくだってけっこう女好きだから、少女のほうからあんなふうに好きだ、好きだという態度を示されれば、なんとかなっていたかもしれない」

吉行さんの父上の吉行エイスケさんと、私の父、中村正常とは、昭和初期の「新興芸術派」のもとに集まった同志のような関係でした(本書)

佐藤嘉尚◆人を惚れさせる男――吉行淳之介伝

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