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2011.10.19

池内紀◎今夜もひとり居酒屋

20111019

 
 

*

 

たとえ店の賑わい役であるとしても、グズグズすわりこむのはつつしむべきだろう。〔…〕

 

 

 

いつまでもグズグズと、それも上司の悪口などを言いつつすわっている人は、

 

 

 

たとえ三日にあげずやってきても大切なおなじみさんでも何でもなく、ひそかに毛虫のごとく嫌われているかもしれないだろう。

 

 

 

新顔が常連クラスを尊んで席をきめるように、常連は新人を立てるぐあいに居場所を選定すべきだし、主人と新顔の対応を見て、順調もしくは順調以上と見てとれば、そっと姿を消して場をそっくりゆずるほどがいい。

 

 

 

主人にもその気づかいがピンときて、心に刻むところとなり、おなじみさんの株がまたグンと上がるものだ。

 

 

 

──「おなじみさんのあり方」

 

 

 

◎今夜もひとり居酒屋│池内紀│中央公論新社│ISBN9784121021182201106月│新書│評価=○

<キャッチコピー>

居酒屋が、方々の町の片隅で慎ましやかに提灯を掲げている。よく知る店もよし、見知らぬ町の見知らぬ店もよし。ふらりと入れば、酒に食べ物、店主と客が織りなす独特の時間がそこにある。

<memo>

そろそろ腰を上げるときだというのに追加注文をする客がいる。『退けどきを考える』から引用。

──注文した当人にも、なぜこのまぎわに追加を言ったのかわからない。酔っぱらってのことではなく、食べ足りないのでもなく、もとよりイヤガラセなどではなく、心身ともに満足して、気持よく腰を上げ、帰宅の途につくつもりだった。家庭に帰りたくないわけもなく、グズグズ居つづける理由は一つもない。むしろ当人はつね日頃より、グズグズ居つづける客に非難の目を向けていた。コトが終わったあとに追加を注文するなど、酒呑みの風上にも置けないのだ。それがなぜ、いま、このときに、(以下、略)

       
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中村よお■ 肴(あて)のある旅――神戸居酒屋巡回記

 

 

 

 


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