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2011.10.18

山折哲雄◎絆──いま、生きるあなたへ

20111018

 

 
 

*

 

千年に一度の大地震だといいます。

 

 

 

だが私にはやはり鴨長明の『方丈記』の一節が思い浮かびます。元暦2年(1185)、都を襲った大地震の経験がそこに記されているからです。

 

 

 

800年前のことになりますが、地震、台風、飢餓にほんろうされ、命を失う無数の人びとの運命が描かれています。「男女死ぬるもの数十人」「飢え死ぬるもののたぐい、数も知らず」という記述とともに被害の惨状が映しだされていく。

 

 

 

そしてついにかれの視線は、都の街路のいたるところに放置されている死者の首のうえをさまよい、その数が全部で「42,300余り」もあったという嘆きの声にいきつくのです。〔…〕

 

 

 

そのかなたにかれが見ていたものが、おそらく人生の無常という動かしがたい原理だったのではないでしょうか。

 

 

 

いまわれわれは、もしかすると『方丈記』や『平家物語』の時代を生きているのではないか、

 

 

 

そういう思いが喉元をつきあげてくるのであります。

 

 

 

 

 

──「第一章 災害とともに生きてきた日本人」

 

 

 

 

◎絆──いま、生きるあなたへ│山折哲雄│ポプラ社│ISBN9784591124888201106月│評価=△

<キャッチコピー>

1000年前の都の大地震を綴った『方丈記』、鎌倉大地震を背景に書かれた『立正安国論』を踏まえ宗教学者が語る日本人の自然観、死生観。

<memo>

上掲のあと、「山は裂け海はあせなむ世なりとも君に二心(ふたごころ)わがあらめやも」という源実朝の歌を引いて、「この国土だけは残りつづけてほしいと願わずにはいられない」と続けるのだが(!?)。

 

山折哲雄/島田裕巳■ 日本人の「死」はどこにいったのか

 

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