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2011.10.11

東京やなぎ句会◎楽し句も、苦し句もあり、五・七・五──五百回、四十二年

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無駄に重箱みてえに年を重ねやがって、という科白が世間にあるように、やなぎ句会の中でも、私だけはまったくその通りの俳句力で四十二年五百回何の進歩もない。

 

これだけ続けてますます確信を持てるようになって来ているのは「オレはやはり俳句に向いてない」ということだ。〔…〕

 

そしてとうとう、ついに、いつの日からかは判然としないが、悟りの境地に辿り着いた。

○上手い句を作ろうとしない。

〇自分以外の人に感心されようとしない。

○他人にはわからなくていい。

 

この句を読めば、他人には解らなくても、自分だけは知っているあの時あの事を思いめぐらして、連想して、納得できる。

 

そういうものを作ろうと宗旨変えをすることにした。三、四年程前のことかしら。

 

──柳家小三治「悟りの境地の宗旨変え」

 

 

◎楽し句も、苦し句もあり、五・七・五──五百回、四十二年│東京やなぎ句会│岩波書店│ISBN9784000237949201107月│評価=△

<キャッチコピー>

毎月一回句会を開いて42年、500回を迎えた東京やなぎ句会。入船亭扇橋・永六輔・小沢昭一・大西信行・加藤武・桂米朝・柳家小三治・矢野誠一。苦吟しながらも爆笑また爆笑の句会実況中継をはじめ、エッセイ、自選30句などにより、句会の愉しみ、俳句の魅力を紹介する。

<memo>

柳家小三治(土茶)の自選句から……。

これほどに老いても意地の梅二輪

猫八の声帯模写や猫の恋

手をかざし昼寝とわかる安堵かな

今日は休んでしまいましたと落葉焚く

寒月やひとり死のうと死ぬまいと

 

東京やなぎ句会■ 友あり駄句あり三十年

東京やなぎ句会◆五・七・五――句宴四十年

 

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