◎08メディア的日常│T版 2015年9月~10月
★中森明夫『寂しさの力』
死んだ人は「いない」ということに。
もう二度と会うことはできないのだと。
その瞬間、心に浮かぶ感情は何でしょう?
そう、「さみしさ」です。
いわば「悲しさ」が終わった時から、「さみしさ」が始まる。
★中森明夫『寂しさの力』△2015
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『寂しさの力』は、妻も子もいない50男の母恋いモノローグ本。
「悲しさは一瞬、さみしさは永遠――。」とか「(アイドルって)『好きになってもらう仕事』じゃないですか。」など気の利いたフレーズもある。
が、坂本龍馬もディズニーもヒトラーもスティーブ・ジョブズも山口百恵も、その人生を「さみしさ」の一語で集約するトンデモ本。
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★ヤマザキマリ『望遠ニッポン見聞録』
日本でのビールはアイデンティティも自己主張もない。
飲んでくれる人に爽やかな快感を味わってもらおうというサーヴィス精神旺盛なあのフレンドリーな美味さは、本当に素敵だし、日本人の幸せにはなくてはならない飲み物ではないかと思う。
★ヤマザキマリ『望遠ニッポン見聞録』△2012
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「youは何しに日本へ?」というテレビ番組を愉しんだ時期があったが、あれも結局はやりの日本絶賛番組の一つと気づき見なくなった。
日本絶賛本は海外に居住する日本人によるものが定番。本書『望遠ニッポン見聞録』もその一つ。
著者はイタリア人と結婚し、シリア、ポルトガル、アメリカで暮らし、現在はイタリアに在住とか。なんだか気味の悪い内輪褒め“内向き日本”はいつまで続く?
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