小松快次◎恐竜まみれ――発掘現場は今日も命がけ
だがご存知のように、爬虫類的な恐竜から、鳥型の恐竜へと進んだのが大きな進化の流れだ。世界中の恐竜研究者の成果によってその事実が明らかになった。
いまや恐竜ファンの子どもたちは誰でも知っていることだが、念のために言っておこう。いま現代に生きている鳥類は恐竜である。〔…〕
絶滅した恐竜の祖先系がワニ類で、末裔が鳥類なので、恐竜の行動や姿形を推測するためにはワニ類と鳥類の両方を見比べるのだ。
小松快次◎恐竜まみれ――発掘現場は今日も命がけ 2019.06/新潮社
著者小林快次(こばやしよしつぐ・1971~)は、古生物学者、北海道大学総合博物館教授で恐竜の著書多数。
約2億3000万年前、恐竜が地球上に現れた。恐竜は1億7000万年にわたって繁栄した。現在までに1000種類を少し超える恐竜に名前(学名)がついている。そのほとんどは、アメリカ、カナダ、アルゼンチン、イギリス、中国、そしてモンゴルの6か国で発見された。
だが日本でも北海道むかわ町で「むかわ竜」が発見された。全長8m、頭から尻尾まで8割以上の骨がそろった「全身骨格」。約7200年前の白亜紀の地層から。学名「カムイサウルス・ジャポニクス」。著者はその発掘調査を指揮した。その経緯は本書に詳しいが、その一部分を抜粋……。
「大腿骨はかなりでかいはずだから、あれば一発で分かるはずなんですよね」
「どんな形ですか?」
「おそらく、1メートルくらいの長さでこれくらいかな」
「小林さんの腰かけてるノジュール、形似てますね」
「えっっ?」
「マジか?」
それはまさしく大腿骨だった。
――私が考える大発見とは、実は私たちの身の回りに転がっていて、データも現象も見えているのに、それが他とは違う特別なものだと気づいていなかったことに『気づくこと』なのです。〔…〕
興味をもつこと、好きになることが重要であり、その先に、自分なりの大発見が待っている。 (本書)
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