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2020.07.19

北野新太★等身の棋士        …………☆歴代中学生棋士は14歳の藤井聡太をどう見ていたか 

201712


・渡辺明、語る

「堅さこそが正義という時代がけっこう続きましたけど、今はもうそういう将棋は指せなくなってきています。王様の守備が薄くでも、コンピュータソフトが高い評価値を出せば検討に値する、という考え方に変わってきています。藤井君の将棋は、まさに時代の流れを象徴しているんですよ」

 14歳が成長を遂げれば、いずれは大舞台で二人は雌雄を決することになるだろう。〔…〕

 今年の竜王戦で戦ってみたかったですか…‥?


「戦いたくなかったです。中学生と戦う心の準備はできなかった。

せめて高校生になってからにしてよ、と思いました(笑)」

――「藤井について語る時に渡辺の語ること」(2017年7月)

★等身の棋士 /北野新太 /2017.12 /ミシマ社


 ――棋士という二文字は「将棋を指す侍」を示している。〔…〕
160人いる棋士たちは皆、自らが信じた将棋という勝負において光り輝くために戦っている。日夜の研鐙を積み、策略を謀り、勝利という絶対を追い求めている。 (本書)

 その中に藤井聡太(2002年7月~)がいる。杉本昌隆8段門下。
 2016年に史上最年少(14歳2か月)でプロ入り(4段昇段)。無敗で公式戦最多の29連勝記録。その後、2020年7月、棋聖戦五番勝負で渡辺明三冠を相手に3勝し、初のタイトルを獲得。17歳11か月でタイトル獲得の最年少記録を30年ぶりに更新した。

 本書は3年前の2017年の14歳、藤井翔太を追尾する。

・羽生善治、語る

 ――単刀直入に聞いた。第一人者として藤井の出現を脅威には感じないのか。一呼吸を置いた後、羽生は言う。
「もちろん、次の世代が出てくることによる大変さはありますけど、全くそのような人が出てこない世界には活気がありませんから。だから非常に良かったと思っています」〔…〕
「檜舞台で顔を合わせる日を楽しみにしています」
(本書「藤井について語る時に羽生の語ること」2017年7月)

・谷川浩司、語る

 ―― 同じ関西所属ですが、今のところ対戦がありません。
「現時点で相当に厳しい勝負になるとは思っています。完璧に指したと思える将棋でないと勝つことは難しい。一手でもミスをすると勝てない、という将棋を要求されるプレッシャーはありますよね」
(「文春オンライン」北野新太「谷川浩司九段が語る」2018年12月)

・加藤一二三、語る

「デビュー戦での藤井4段は、私をピタッと見た瞬間があったんですね。加藤先生、あなたの方が(現局面を)面白いと思っているでしょ、でもこの将棋は、わたくし藤井聡太が勝っていますよ、という視線を送っていて非常に感心しました。
 破竹の連戦連勝、29連勝は全く想像もしょせんでした。全局研究しましたが、作戦が非常にうまくスピーディーで、彼には欠点がひとつもないんですね。
(本書「名人の引退」2017年7月)

・歴代中学生棋士と藤井の対戦成績(2020年7月現在)

加藤一二三(1940~、14歳7か月) 藤井の1勝0敗
谷川 浩司(1962~、14歳8か月) 藤井の1勝0敗
羽生 善治(1970~、15歳2か月) 藤井の3勝0敗
渡辺 明 (1984~、15歳11か月) 藤井の4勝1敗
藤井 聡太(2002~、14歳2か月)

 

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