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2020.11.28

発掘本・再会本100選★句会で会った人│戸板康二          …………俳句は句会を通じて交遊する文芸、――そのちょっといい話

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 瀬戸内さんの文壇句会での句に、

 

嵯峨にかくる艶女のはてや春灯

 

 と祇王寺の庵主を詠んだのがあり、十年のちに、瀬戸内さん自身が、この句の通りになった。

 

★句会で会った人 /戸板康二 /1987.07 /富士見書房 


 著者が参加した折々の句会、――大森の良夜会、いとう句会、テレビの句会、文壇句会、銀座百店会忘年句会、東京やなぎ句会の場で出会った作家など著名人たちの俳句とエピソードを紹介した句会版“ちょっといい話”。

 これを読めば俳句と短歌の違いがよくわかる。俳句は句会を通じて交遊する文芸である。なんとも楽しい句会が中継されている。ちょっと時代が古く、高名な人たちばかりだが、その著書を読んだことがない。

 上掲の文壇句会は、1953(昭和28)年に再開され、10年ほど続いた。著者の師である久保田万太郎をはじめ、当方がほとんど読んだことのない永井龍男、玉川一郎、森田たま、吉屋信子、瀧井孝作、網野菊、木山捷平にまじって瀬戸内晴美がいた。

 毎日新聞の水落潔記者から聞いた“ちょっといい話”が載っている。同紙に連載していた小説で執筆が遅れたときは電話で口述送稿していたが、あるとき催促の電話を入れた。

 ――「どうしてもうまくゆかないのよ」といわれ、「だって先生、プロじゃありませんか」とついあらっぼくいってしまったら、「いいえ、私はアマです」といったというのだが、これはおそらく作り話であろう。 (本書)

 上掲の嵯峨野祇王寺の庵主は高岡智照のこと。新橋の人気芸妓から尼僧になった女性。瀬戸内寂聴の小説『女徳』のモデルにもなった。祇王寺は何度か訪れたことがあるが、紅葉の季節にはとりわけ美しい寺である。

 

Amazon戸板康二★句会で会った人

 

 

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