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2020.12.21

11/癒しの句・その他の詩歌◆T版2020年…………◎長嶋有・俳句は入門できる◎今野敏・清明 隠蔽捜査8

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11/癒しの句・その他の詩歌

長嶋有★俳句は入門できる 2019.12/朝日新聞出版

 

  今の俳句の世界に欠けているものは、「優れた俳句」でも「若手の存在」でもない。

「優れた俳句を紹介する存在」や「批評」でもない。

 欠けているのは「逸話」だ。

 面白い世界、多くの人の心を長く灯し続け、熱く語られる醍醐味のある世界には、必ず多くの「逸話」がまつわる。

 漏れ出る。

*

 ラグビーや相撲は中年をすぎたらもう出来ない。野球をするのも、けっこう大変だ。俳句はいつからでも入門できる。そして、その入門する世界は「五七五」や「季語」のもたらす醍醐味をひっくるめ、もっと大きな混沌と豊饒さをたたえて、皆さんを待っている。(「はじめに」)

 

 

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11/癒しの句・その他の詩歌

今野敏★清明 隠蔽捜査8 2020.01/新潮社

 

――竜崎は言った。

「『清明』ですか……」

呉はにこやかな表情になって言った。

「そうです。杜牧の詩です。とても美しい風景が頭に浮かびます」〔…〕

 

清明の時節、雨紛紛(ふんぷん)。

路上の行人、魂(こん)を断たんと欲す。

借問す、酒家いずれの処にかある。

牧童、遥かに指さす、杏花の村。

 

清明時節雨紛紛

路上行人欲断魂

借問酒家何処有

牧童遙指杏花村

 

 七言絶句だ。その詩を読み下そうと、竜崎が苦労していると、滝口が再び口を開いた。

「清明の時節、雨紛紛(ふんぷん)。路上の行人、魂(こん)を断たんと欲す。借問す、酒家いずれの処にかある。牧童、遥かに指さす、杏花の村。

 清明の季節、つまり春ですね。雨がしとしと降っていて、道行く私はひどく落ち込んできた……。牛飼いの牧童にちょっと尋ねる。どこか酒が飲めるところはないだろうか、と。牧童は、はるか向こうの杏の咲く村を指さす……。

いや、実に味わいのある詩ですね。私の好きな詩です」

竜崎は、滝口の意外な一画を知り、驚いた。

呉がうれしそうな顔になって言った。

「あなたは詩心がありますね。そういう人は信じられると言います」

*

竜崎伸也は神奈川県警刑事部長に異動する。着任早々、県境で死体遺棄事件が発生、

被害者は中国人と判明。公安と中国という巨大な壁が立ちはだかる。

 

 

 

 

 

 

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