毎日新聞取材班★公文書危機――葬られた記録 ◆T版
〔近畿財務局の職員〕赤木俊夫氏は良心の呵責から心を病み、改ざんを実行した罪で逮捕されるのではないかとおびえるようになる。ノートにはこんな走り書きも残っていた。
「最後は下部がしっほを切られる」
「なんて世の中だ」
「手がふるえる、恐い」
「命 大切な命 終止符」
赤木氏はメッセージを書いた直後の18年3月7日、自ら命を絶った。
★公文書危機――葬られた記録 /毎日新聞取材班 /2020.06 /毎日新聞出版
2018年森友学園の問題にからんで財務官僚たちが公文書を改ざんしていた。2年半に20人近い現役官僚を取材する。明らかになった公文書を隠す手口は大胆かつ巧妙。
――表に出せない公文書を開示請求されると、「私的な文書」にすり替える。保存期間を1年未満にして請求される前に捨てる。請求時点に存在していても捨てたことにする。電子メールで重要なやりとりをし、それが残っているのに「メールは電話で話すのと同じだ」という理屈で公文書にしない。ウェブで公開される公文書ファイルの名称をわざとぼかして国民に中身を知られないようにもしていた。
極めつきは、首相と省庁幹部の面談語録をほとんどつくっていないことだろう。最も重要であるはずの公文書がつくられていない理由は、首相の発言を記録することが事実上禁じられているからだった。(本書あとがき)
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