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2020.12.22

12/そこに本があるから◆T版…………◎吉田篤弘・ぐっどいゔにんぐ◎柴田元幸・ぼくは翻訳についてこう考えています◎今井 上・初めて読む源氏物語◎永江朗・私は本屋が好きでした

12

 

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12/そこに本があるから

吉田篤弘★ぐっどいゔにんぐ /2020.11/平凡社

 

夢のおわりに、見たことのない自分が書いた本のページをめくっている。

そのタイトルを頭の中で何度も反芻しながら目が覚める。

しかし、なにひとつ思い出せない。

これこそ自分が書きたかった本である、という手応えだけが残っている。

*

短い小説集? 詩集? 随筆集?

でなければ、これは、活字にならなかったボツのメモ、

さもなければ、見た夢の備忘録?

いずれも違うのです。

これは「まだ書かれていない本」の断片です。

 

いくつかご紹介を……。

 

 ――ひとたび、そこに「全体」が姿をあらわしてしまうと、断片であったときの「面白さ」「可能性」「孤独」「記憶」「自由」はそれきり失われてしまいます。

 ――小説や詩になる前の言葉を、ここにそのまま、なにものでもない声のまま並べ、それが一口で食べられる菓子を並べたようにならないものかと夢想したのです。(本書)

*

発行は2020年11月20日金曜日

クリスマスの贈り物に、あるいはお年玉にふさわしい

目次もない、ページ番号もないコンパクト判。

 

 

13

12/そこに本があるから 

柴田元幸★ぼくは翻訳についてこう考えています―柴田元幸の意見100―   /2020.01/アルク

 

和製英語は恥なのか――

正直なところどうでもいいと思っている。〔…〕

英語の使い方がちょっとくらい間違っているからといって、日本人を見下すような人がいるとすれば、それはその人が狭量なのである。

僕の知っている英語圏の人々はそんなセコいことは言わない。彼らはただ、面白がるだけだ。

 

12_20201222121301

12/そこに本があるから 

藤原克己・監修 今井 上・編★初めて読む源氏物語 /2020.01/花鳥社

以下、「あとがき」から……。

 入門者や初心者は、はじめの入り口を間違えてしまうと、おかしな情報にふりまわされたり、変な癖がついてしまうばかりで、結局いつまでたっても出口にたどり着けなかったり、ものごとが上達しないということが、世の中にはよくあります。

 本書に示した『源氏物語』への理解はオーソドックスなそれに徹して、専門家が陥りがちな重箱の隅をつつくような話や、奇をてらった見方は厳しく排除してあります。『源氏物語』にはじめてふれてみようと想った人に安心して手にとってもらえる本を届けたい、そうした思いをこめて、

 本書は『はじめて読む源氏物語』と名づけられました。

とはいえそれは、一度読んでしまえば、あとは読み捨てにされてしまうような内容の薄さ、レベルの低さを意味しているのではありません。

 

 

201912

12/そこに本があるから

 

永江朗★私は本屋が好きでした――あふれるヘイト本、つくって売るまでの舞台裏   /2019.12/太郎次郎社エディタス

 

 数年前から小さな本屋をのぞくのが苦痛になってきました。ときどき不愉快な思いをするようになったのです。

 その原因がヘイト本です。

 店頭にヘイト本が並んでいるのを見ると、いやな気分になります。以前は「いやなことも含めて本屋なのだから」と自分に言いきかせ、できるだけ好き嫌いなくまんべんなく本屋をのぞくようにしていましたが、最近は考え方を変えました。

いやなものはできるだけ見ない。醜いものは視界に入れない。

*

 この本のテーマは「本屋にとってヘイト本とはなにか」を考えることです。たんに「ヘイト本とはなにか」ではなく、また、「出版界にとってヘイト本とはなにか」でもなく、「本屋にとってヘイト本とはなにか」です。

 と説明があり、以下、抜粋。著者が「当面すべきと考えるヘイト本対策」が詳しく書かれているが、それは本書で……。

*

 ところで、ここまで「ヘイト本」ということばを使ってきましたが、この呼称は適切ではないと考えています。hate (ひどく嫌う、憎む)という英語は、日本で日常的な生活のなかで使うことばとはいえないでしょう。多くの人は、dislike , detest とのニュアンスの違いもよくわからないのではないか。実感としてなじみの薄い外国語を、ある行為や事象を示すことばとして用いるのは適当ではありません。〔…〕

「ヘイト本」も、正確には「差別を助長し、少数者への攻撃を扇動する、憎悪に満ちた本」と呼ぶべきでしょう。それでは長すぎるというのなら「差別本」とか「少数者攻撃本」とか。わたしは外国語由来のカタカナ語と同じく漢字を多用した造語も好きではないのですが、「ヘイト本」の曖昧さよりはまだマシだと思います。

 ヘイト本のはじまりは2005年に刊行された山野車輪『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)でしょう。

 ヘイト本は、特定のだれかを傷つけ、怯えさせ、ダメージを与えることを目的としてつくられている。

 なぜ本屋にヘイト本が並ぶのか、その理由がおおむね見えてきました。

疲弊。無責任。想像力の欠如。無関心。あきらめ。

 

 

 

 

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