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2021.01.31

佐藤健太郎◆番号は謎            …………番号のトリビア集。運転免許証は12桁、最後の桁は紛失盗難による再発行の回数を示す

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 まず、ナンバープレートの左側にあるひらがなは、車の用途を示している。原則として、事業用の車は「あ」~「こ」及び「を」、自家用車は「さ」~「ろ」、レンタカーには「れ」「わ」がつけられる。

ただし「お」「し」「へ」「ん」の四文字は使われない。


「お」は「あ」と見分けにくいこと、「し」は死、「へ」は屁を連想させること、「ん」は発音しづらいことが理由なのだそうだ。

 ひらがなの代わりに「Y」などのアルファベットが入った車もまれに見かけるが、これは駐留軍人の車などに用いられている。ちなみに駐留軍人が日本で除隊になった場合、このアルファベットは「よ」に変更されるとのことで、これは非常なレア品である。

◆番号は謎 佐藤健太郎 /2020.08 /新潮社


 無味乾燥な番号にもドラマが秘められている。

「我々は番号に埋もれるように生活し、情報社会の進展に従ってその種類はなお増え続けている。でありながら、番号というものにほとんど誰も目を向けることはない」と著者。

 上掲は自動車のナンバープレートだが、電話番号、郵便番号などなじみの番号から、鉄道、道路、銀行、学校、地名、野球、サッカー、F1、バーコード、図書、出版、天体、原子、マイナンバーなど、22種類の番号の「謎」を解く。

 ――豊富な資料があるジャンルは野球の背番号くらいで、テレビのチャンネルなど、誰もが毎日目にしているものでありながら、そのルーツ探しにはずいぶん苦労させられた。

 当方が昔から気になっていた電話の局番「06」は大阪なのになぜか兵庫県尼崎市が含まれている。2年間“アマ”に住んだことがあるものの、当時“公害・尼崎”のイメージがあり、どうぞ大阪に編入してもらったら、と悪態をついていた。

 ――1961年に市外局番が制定されることになった際、尼崎市及び商工会議所は当時の電電公社に対し、大阪と同じ市外局番に編入するよう要請した。電電公社は、工事費用の地元負担という意味合いで、2億円余りの電話債券を引き受けることを条件に、この要求を受け入れた。尼崎市にとっては重い負担であったが、大阪と市内料金で通話できるメリットは大きく、同市の経済発展に大きく寄与した。(本書)

 番号とは、管理するためのものだ。だがいつか破綻の方向へ進む。はみだした部分を秩序に取り組もうとして「分かりづらさ」が出現する。その「謎」に快感?をおぼえながら著者は見事に解いていく。

 番号に関する話のネタ帳であ、トリビア集である。

 

 

 

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